「恵那って家賃高いですよね」、お客様に毎月1度は必ず言われます。実際大手不動産検索サイトの情報でも、多治見≧恵那>土岐・瑞浪・中津川、こんな統計が出ています。(ちなみに単身物件では中津川>土岐・瑞浪、2LDK以上では土岐・瑞浪>中津川です。)
恵那市の家賃が比較的高い理由は幾つかあります。まずアパートそのもののストックがそれほど多くないこと。需給関係で需要>供給なら自然と家賃は高くなりますね。2番目の理由は1番目の理由と関わりが深いですが、築年数の浅い物件が相対的に多いことです。他の4市では比較的早い段階から賃貸物件のストックが形成されましたが、恵那市で本格的な市場が形成始めたのはそれから10年以上あとのこと。従って「賃料の平均値」で比べると、高めになりやすいのです。
そしてこれは恵那市に限ったことではないのですが、恵那市の中心部で移住する若い世代が多いことです。なぜなら外周部の過疎地では、人口減少と高齢化が著しく、子供の数も当然少なくなるので、学校の統廃合が懸念されています。「通園・通学で子供に負担をかけたくない」、「送迎する自分たちの負担を軽くしたい」、そんな考えで恵那市内での地域格差が大きな影響を与えています。 さらにここへきて派遣会社という新たな需要が生じています。自宅から通勤する正社員が当たり前だった時代から、人材派遣会社が日本全国からかき集めた社員を賃貸物件に住まわせて通勤させる時代への変化も、恵那市の賃貸市場に少なからぬ影響を与えています。
最後になりましたが、一説にはこんな話もあります。団塊の世代の教職員が大量に退職し始めており、その埋め合わせで新規の教職員採用が増えている(らしい)のも遠因とか。もちろんこれは恵那市に限ったことではないのですが、恵那市の賃貸市場の需給関係をさらにアンバランスなものにしているのは確かです。
リニア需要も含めて、恵那の賃貸市場は「高止まり」が続きそうですね。